絶賛不定期連載中
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目の前に置かれた物体に涎が垂れる。
香ばしい匂いが鼻を通り抜け、脳を直接刺激する。


それは丸焦げではなく、かといって生焼けでもない。
この焼き加減が非常に難しいのだ。


焼けた肌に箸をつけると肉汁が「ジワッ」と染み出してくる。
焼かれた皮膚は軽く破け、パリパリという心地よい音が流れる。
私は焼かれて白く変色した筋肉を箸でつまみ、口に運んだ。


美味い。他の言葉では言い表せない。
よくテレビで難しい言葉を並べて大げさに表現する人がいるが、
そんなのは必要無い。本当は美味いとしか言い様が無いのだから。
私は夢中になりながら口に運び続けた。


ふと死体と目が合った。
その瞳はすでに白くなっており輝きは無い。
物哀しげな瞳に吸い込まれる。
そして、もっと近くで見たいという欲求からその瞳を抉り出してみる。


この瞳は何を見てきたのだろうか。
それは綺麗なものだったのだろうか、それとも醜いものだったのだろうか。
今となっては、そのことを知る術は無い。
なんせ持ち主はもうこの世にいないのだから。


瞳を噛んでみる。奥歯に眼球の破片が詰まる。
私は「瞳を食べる」という非現実的なことに感動を覚えていた。
さて、最後に残しておいた一番好きな部分「腹」に取り掛かるとするか。


腹は本当に美味い。
脂が乗っていて(時々全く脂の付いていないやつもいるが)最高だ。
箸を押し付けると見事なまでに脂が噴出す。
私はその甘美な光景に失神しかけてしまった。


そうそう、全身を一気に焼くような器具を私は持っていないので、焼くときにはいつもバラバラにしている。
バラバラにするのは私の彼女の役目だ。
彼女の包丁捌きは見事なもので、バラバラにしている途中で目を覚まし暴れるものは殆どいないくらいなのである。
時々暴れだすヤツもいるが、その時は首筋を包丁で一突きだ。


結局いつもどおり骨を残して全て平らげてしまった。
本当は頭に齧りつきたがったが、瞳を無くした眼窩の闇に引き込まれそうな気がしたのでやめた。


「で、どうだった?」バラバラ名人の彼女が声をかけてきた。
「ん?あ、ああ…美味しかったよ」と答える。


「だろうね。奮発したもん、今日は」
そう言うと彼女は「真鯛」と書かれたレシートを私に見せた。
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【2005/06/29 22:15】 SS | トラックバック(0) | コメント(1)
自己コメント
今更ながらに気付いたこと。

真鯛はそんなに脂っぽくない

あぁ、自分の無知さが恥ずかしい+真鯛をよく知らなさすぎな裕福さ
【2005/06/30 20:58】 URL | dec311 #-[ 編集]













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