絶賛不定期連載中
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部屋を飛び出した私はいつの間にやら自宅マンションの屋上にいた。
いくら6月だからといっても夜になると肌寒い日がある。
風が吹くたびにもう一枚上着を着てくるべきだった、というちょっとした後悔を感じてしまう。


どこをどう歩いたかはあまり覚えていない。
夕方、近所のおばさん(八百屋)に声をかけられたことは覚えている。


「どうしたの?裸足で外に出て」とおばさん。
「いえ、別に」と言ってスタスタと歩き出す私。
私を呼び止めるおばさん。
メデューサアイ(彼命名)発動。
何も言わずに去るおばさん。


たしかこんなやりとりだった。
自分があの目つきを未だに覚えていることは感動に値したかな。
屋上の縁に腰掛けながら、足の裏についた砂利を手で払う。


このマンションは辺りをビルに囲まれて殆ど日が当たらない。
近所の人や彼は文句を散々言っていたが、私は快適だと思っている。


一度だけこの屋上に来たことがある。
別段何をするわけでもなくふらりと立ち寄ったのだが、
辺りは思いのほか暗闇が支配しており、暗黒が私を手招きしているようだった。
ただ、私が座っている縁だけはライトに照らされており、それはまるでスポットライトに照らされた舞台のようでもあった。


私はスっと立ち上がり「私は女優」という無意味な妄想をしながらクルリと回る。
不意に暗闇が私の手を引っ張った。
グラリと傾く視界。風がやけに心地よく感じる。
瞬間、左手で金網を掴む。
ガシャン、という無機質で乱暴な音が響く。


死への嘱望と生への執着。
私の体は今まさに半分に分かれていた。
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【2005/06/30 23:10】 物語 | トラックバック(0) | コメント(0)













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