絶賛不定期連載中
思いつくまま気のままに。
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そっと泣いてみる


雨の夜空を見上げて
そっと泣いてみる


誰にも気付かれないように
そっと泣いてみる


その涙は雨のせいにして
その目の赤さは風のせいにして



そっと そっと泣いてみる
【2005/07/11 20:53】 | トラックバック(0) | コメント(0)
「ねぇ」
「ん、何?」
「今日って何の日か知ってる?」
「今日?…あ、あぁ七夕か」
「そうよ、大切な日なのにまさか忘れてたの!?」
「え、い、いや別にそういうわけじゃ…」
「言い訳無用!」
「あいたたたたたたたた!」


「それにしてもいつの間にやら見えなくなったわよね」
「そうだね、天気のせいってワケだけでも無さそうだよね」
「少しさびしい気がするわ」
「だね。僕もそう思うよ」



「ところであなたは何かお願い事したの?」
「え、何で僕が?」
「…はぁ、ロマンってものが全く無いわね」
「…ロマン云々の問題かなぁ…」
「何か言った?」
「いえ、何も。じゃあそういう君こそ何か願い事したの?」
「したわよ」
「何?」
「秘密」
「あ、ずるい!」
「…フフフ」




「それじゃあそろそろ僕は帰るね」
「何よ、もうちょっと居たっていいじゃない」
「…そうもいかないんだよ」
「そうよね、分かってて言ったのよ」
「それじゃ……ねぇ?」
「…何よ?」




「また来年会えるかな?」
「それがあなたの願い事?」
「フフ、そうかもね」





「その願い叶うと思うわよ、彦星」
「そうだといいね、織姫」
【2005/07/07 22:01】 SS | トラックバック(0) | コメント(2)
マジで死ぬところだった。
おでこの辺りに汗が滲んでいるのが、風を感じて分かる。
もし今ココから落ちていたら。
そう考えるだけで背筋がゾワっとする。


あれ?私、何しに来たんだっけ?
そうだ、死にに来たんだ。もう、何やってるんだ私は。
空中に浮いてる右手で頭をコツン、と叩いた。
もちろん舌をちょっと出しながら可愛く、だ。


地に着いていない右足で空中を少しだけかき回してみる。
風の強さと冷たさでココが意外に高いところだということを感じさせる。
今確実に生きているのは左半身だけ。右半身は真っ黒な手がガッチリ掴んで離さない。


「やべえ、さみいな」


そう呟くと私は座ることにした。
別に死ぬことに対する恐怖感が生まれて怖気づいたワケではない。
ただ、高いところが意外に恐かっただけだ。
いわゆるところの高所恐怖症ってヤツなんだ、私は。
コンクリートがむき出しの縁を軽くて手で払い、ぺたりと座った。
もちろん足は投げ出して。


足をブラブラさせていると何だか気持ちよくなってきた。
自然と歌が口から漏れてくる。
これも口癖同様、無意識のうちに出るから困る。
この前だって彼とのSEX中に…って嫌なことを思い出してしまったわ。


いつの間にか声は相当大きくなっていた。普通に歌う声量ではない。
たぶん薄い壁のアパートだったら、隣の部屋からオヤジが怒鳴り込んでくるだろう音量だ。
何曲目か分からないけれど、私の十八番である昔のアニメソングが始まった。
私はもうノリノリでこれからのサビに向けて気持ちはドンドン高ぶっていった。


「…ジンガァァァアァアア、ズエェェェェ…」


ガチャ。
邪魔された。無粋なドアを開ける雑音に。
誰だ私の水木節を邪魔するやつは!
思い切りドアの方向をにらみ付けた。それはもう最高な睨みで。


ドアの近くには女の子が立っていた。
泣いてるのかな、少しだけ肩が上下している。
風が吹くたびセミロングの髪の毛がなびく。
姿を見る限り私より5歳くらい下かな。だとすると17歳か。いいなぁ。


不意に一際強い風が吹いた。
女の子は顔を上げる。空を見上げる。こっちを見る。


「やべ、かわいいじゃん」


それが女の子の第一印象だった。
【2005/07/04 21:39】 物語 | トラックバック(0) | コメント(0)
部屋を飛び出した私はいつの間にやら自宅マンションの屋上にいた。
いくら6月だからといっても夜になると肌寒い日がある。
風が吹くたびにもう一枚上着を着てくるべきだった、というちょっとした後悔を感じてしまう。


どこをどう歩いたかはあまり覚えていない。
夕方、近所のおばさん(八百屋)に声をかけられたことは覚えている。


「どうしたの?裸足で外に出て」とおばさん。
「いえ、別に」と言ってスタスタと歩き出す私。
私を呼び止めるおばさん。
メデューサアイ(彼命名)発動。
何も言わずに去るおばさん。


たしかこんなやりとりだった。
自分があの目つきを未だに覚えていることは感動に値したかな。
屋上の縁に腰掛けながら、足の裏についた砂利を手で払う。


このマンションは辺りをビルに囲まれて殆ど日が当たらない。
近所の人や彼は文句を散々言っていたが、私は快適だと思っている。


一度だけこの屋上に来たことがある。
別段何をするわけでもなくふらりと立ち寄ったのだが、
辺りは思いのほか暗闇が支配しており、暗黒が私を手招きしているようだった。
ただ、私が座っている縁だけはライトに照らされており、それはまるでスポットライトに照らされた舞台のようでもあった。


私はスっと立ち上がり「私は女優」という無意味な妄想をしながらクルリと回る。
不意に暗闇が私の手を引っ張った。
グラリと傾く視界。風がやけに心地よく感じる。
瞬間、左手で金網を掴む。
ガシャン、という無機質で乱暴な音が響く。


死への嘱望と生への執着。
私の体は今まさに半分に分かれていた。
【2005/06/30 23:10】 物語 | トラックバック(0) | コメント(0)
目の前に置かれた物体に涎が垂れる。
香ばしい匂いが鼻を通り抜け、脳を直接刺激する。


それは丸焦げではなく、かといって生焼けでもない。
この焼き加減が非常に難しいのだ。


焼けた肌に箸をつけると肉汁が「ジワッ」と染み出してくる。
焼かれた皮膚は軽く破け、パリパリという心地よい音が流れる。
私は焼かれて白く変色した筋肉を箸でつまみ、口に運んだ。


美味い。他の言葉では言い表せない。
よくテレビで難しい言葉を並べて大げさに表現する人がいるが、
そんなのは必要無い。本当は美味いとしか言い様が無いのだから。
私は夢中になりながら口に運び続けた。


ふと死体と目が合った。
その瞳はすでに白くなっており輝きは無い。
物哀しげな瞳に吸い込まれる。
そして、もっと近くで見たいという欲求からその瞳を抉り出してみる。


この瞳は何を見てきたのだろうか。
それは綺麗なものだったのだろうか、それとも醜いものだったのだろうか。
今となっては、そのことを知る術は無い。
なんせ持ち主はもうこの世にいないのだから。


瞳を噛んでみる。奥歯に眼球の破片が詰まる。
私は「瞳を食べる」という非現実的なことに感動を覚えていた。
さて、最後に残しておいた一番好きな部分「腹」に取り掛かるとするか。


腹は本当に美味い。
脂が乗っていて(時々全く脂の付いていないやつもいるが)最高だ。
箸を押し付けると見事なまでに脂が噴出す。
私はその甘美な光景に失神しかけてしまった。


そうそう、全身を一気に焼くような器具を私は持っていないので、焼くときにはいつもバラバラにしている。
バラバラにするのは私の彼女の役目だ。
彼女の包丁捌きは見事なもので、バラバラにしている途中で目を覚まし暴れるものは殆どいないくらいなのである。
時々暴れだすヤツもいるが、その時は首筋を包丁で一突きだ。


結局いつもどおり骨を残して全て平らげてしまった。
本当は頭に齧りつきたがったが、瞳を無くした眼窩の闇に引き込まれそうな気がしたのでやめた。


「で、どうだった?」バラバラ名人の彼女が声をかけてきた。
「ん?あ、ああ…美味しかったよ」と答える。


「だろうね。奮発したもん、今日は」
そう言うと彼女は「真鯛」と書かれたレシートを私に見せた。
【2005/06/29 22:15】 SS | トラックバック(0) | コメント(1)

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